ニ ュ ー ス

2008/11/07
JRP大阪支部ニュース 156号 (日本リアリズム写真集団大阪支部)
2008年度大阪支部写真講座開く
10月11日大阪支部の写真講座を開きました。作品参加9名、見学2名が講師の若橋先生を囲んで終日熱い写真合評が続きました。



七五三さん 広島・沖縄 カラー
 広島はプロの人たちもたくさん撮っている。遺跡として撮るのも難しいので人に狙いをつけているのは良いと思う。しかし狙いが映っているかどうか? 行為は映っているし状況もよく解る。しかし気持ちをどう撮るか、人の内面をどう現すかが問題。そうした意味では親子が写っている写真などはいいと思う。人を全部写さないで鶴を折っている指先だけを写すなど、あるところだけに狙いをしぼるなどして、自分にとって8月6日はどうなのかを表現することが必要。写真は説明ではなく気持ちをどう伝えるかです。写真は今しか写せないが何年かたったときに歴史的価値を生み出す。
 バリケードにアメリカと日本の旗が写っている写真の空間の撮り方がよい。広島の写真よりも視点がしっかりしている。新鮮な気持ちでポイントをしっかり持って撮っているからいい写真ができている。



稲垣さん 広島 徳島 白川郷 花など カラー
 上手く撮れているが同じような写真を今までに何回も見てきた。これだけきちんと撮れるのだから、自分だけの世界を創り上げていく撮影行動をした方がよい。有名な場所ではなく自分の好きなものを写しそこに集中していく手法が良いのでは。人とは違うことをやる気持ちで臨んで欲しい。たとえばありふれた場所ばかりだけど朝日ばかりの写真を撮るなど自分だけの写真を目指して欲しい。
 阿波踊りの写真は人物を撮るのが上手いと思う。撮る人が女性だから撮られる方も警戒しない女性ばかりを撮るのもいいのでは。
 花の写真は空間の取り込み方で写真が変わってくる。その辺を研究してほしい。



濱田さん 故郷と父 カラー
 同じ人物を撮っていると季節が変わっても同じ写真になってくる。お父さんの故郷の風景に変化を展開したい。家の中の様子も見たい。コタツに入っているお父さんの様子も見たい。お父さんがいつも座っている座布団等の身の回りの物も写したらよいのでは。またお父さんの手や足だけといった部分の写真も撮って欲しい。そうした多彩な
写真の中から、お父さんの気持ち、お父さんに寄せる娘の気持ちが写ってくれば素晴らしい物が出来上がってくる。今のままでは同じ風景が多すぎるので写真を組むのに変化をつけにくい。お父さんの使ってきた農具などの道具も撮っておけば写真の世界が広がってくる。とてもいいテーマに取り組んでいる。


梅田さん 千早赤阪村 モノクロ一部カラー
 デジタルのモノクロ出力プリントの質がよいのには感心した。しかし今回の写真は、梅田さんが何に感動し何を撮りたいのか、その視点がはっきりしていないように思う。従って伝わってくる物が弱く感じる。いろいろな物が写りすぎていると伝わってくる物が弱くなってしまう。彼岸花やコスモスに対する思いはあまりないと思うので、それらをつなぎ役としての使い方にすると良い。撮影者の気持ちが写り込む撮り方を追求して欲しい。そのためにも見方、とらえ方をもっすっきりさせて欲しい。




玉井さん 大阪城 カラー
 画面に大阪城を写すこと無く大阪城を現して欲しい。城ばかり入ってくると同じような写真ばかりが並ぶことになる。部分的な物を撮て見る人にそれ以外を創造させることが必要。見えている物以上のものを考えさせなければならない。今のままでは同じイメージの物ばかりなので写真集にはならない。組んだときに次々とつながっていくものにならなければならない。そのためには撮影時に視点をしぼって撮っていかなければならない。撮影者の驚き、発見、見方が見えてくる工夫が必要になってくる。やぐらと石垣の写真はせっかく光の良い状態の時に撮っているのに散漫になっている。石垣だけに絞り込めば心象的な強い写真になる。



冨吉さん 限界集落 カラー
 つぶれた家だけではなく現地の人の話を聞いたりそこに泊まり込んだりして撮らなければならない写真だと思う。少し行ってちょっと撮るだけの軽いテーマではないと思う。少しざっくり撮っているように思う。冨吉さんの廃屋を見る時の印象が感じられない。写真はどうしても饒舌だからしゃべりすぎないように撮影者がコントロールしないといけない。そうでないと説明的な弱い写真になってしまう。廃屋を撮るときには、廃屋の中の生活を撮る、そこで生活していた人を撮っているという認識でシャッターを切ることが大切では。廃屋のコレクターではないのだからそこに何を感じるかが問題ではなだろうか。廃屋の写真は特に室内は光のとらえ方生かし方が大切です。
何回も出かけて行って研究してください。



三枝さん 地蔵 カラー
 三枝さんは前に廃校になる聾学校を撮っていたが、その時の細かくものを見るという経験が今回の写真に生きているのではないだろうか。作者の感じている気持ちが伝わってくるいい写真になっている。フレーミングに甘さのあるものも感じるが、いい写真には緊張感がある。そこには子ども・親・女性を感じさせるものが共通して流れているように思う。アップの写真がいいとは限らない。パンフォーカスで絞り込んで撮っているものは視点がしっかりしていて素晴らしいと思う。組み写真の場合は違う要素のものを取り入れて展開させていく場合がある。研究してください。



岡田 熊野曼荼羅 モノクロ
 熊野の自然や森、祭や宗教などのの全体像をまとめるつもりで撮ってきたものの一部。前者は66のモノクロ、後者は35のデジタル両者を混ぜて組むのは難しい。古道の写真は変化が乏しく説明的になっている。


福岡さん 天川 モノクロ
     限界集落 モノクロ
 天川は人と風景が絡んでいる写真が良いのでは。逆光で撮っていものはとても印象的に仕上がっている。写真は光の状態がとても大切。とりわけモノクロは光をどう捉えるかが勝負。写真が話しすぎていないのがよい。福岡さんの抑制のきいた表現の結果だと思います。今後の課題として川と人間との関わりをどう出すかが課題になってくるのではないだろうか。廃墟の写真はコレクション的になっているように感じてしまうところがある。



 継続的に見ていただいている若橋先生。そんなせいか今回は辛口の厳しい講評が印象的でした。今回の写真についての評価よりも写真に対する考え方やアプローチの方法の方が大切と感じました。今後につながるいい勉強の機会になったものと思います。若橋先生ご苦労様でした。
( 記録三枝・松村 文責岡田)




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